
「スピリチュアリティ」という語を用いる人々は大きく三つに分けることができる。
- 医療・福祉・教育・心理療法など広義のヒューマンケアに関わる人々で、スピリチュアリティの実践的重要性を重視する人々
- 従来の宗教概念では捉えきれない現代社会の現象をスピリチュアリティという理論的分析概念で読み解く宗教学者
- 従来の宗教に替わるような新しい自己=霊性探究の運動における一種のスローガンとして用いるニューエイジや新霊性運動の主唱者
これら三つのグループが用いる「スピリチュアリティ」概念はそれぞれかなり異なるが、相互に影響を及ぼしてもいる[6]。とりわけ第一の専門家グループでは、実践的な関心が主となるために、スピリチュアリティの多義性や、自分たちと異なる理解にはほとんど関心を示さなかったり、役に立たない思弁として敬遠する傾向が強い。